例題1-3) 通貨によって金利が異なるのは、どのような構造的背景によるか

つまり時間の価格が、通貨によって異なることになります。

通貨や国家は、大まかには地域ごとに存在しています。互いに遠く離れたふたつの土地が、同じ通貨を用いている例は稀です。だとすれば通貨とその金利は、時間の価格を地域ごとに評価していると考えてもよいかもしれません。隣接した地域では、人や物資、資金の移動が容易ですから、流れている時間は同じと考えているわけです。

時間に価格をつける地域の区分けは、大きいほうがよいのか、小さいほうがよいのか、という疑問が自然に浮かんできます。区分けが小さければ、よりきめ細かに、時間に価格をつけることが可能です。よりきめ細かに価格がついていれば、それが大雑把な場合と比べて、域内での経済活動はより円滑に行われるはずです。

とはいえ、異なる通貨を用いている地域を跨いで取引しようとすれば、そのコストは、両地域が同一の通貨を用いていた場合と比べて、より大きなものになってしまいます。常に為替がついて回るからです。物の価格を考えるのに、相手通貨での価格と為替レートの両方に着目する必要がありますし、実際の取引には為替にかかる面倒がついて回ります。ですので、どちらがより大きな視点で効率を高めるのか、難しい判断です。

一般論としては、先に挙げた人材や物資、資金の流動性が高まるほど、地域による時間の価格の差は減少するはずです。1999年に誕生したユーロは、通貨の統合と域内の流動性を高める政策の、注目すべき実例です。
posted by equilibrium at 2002-01-03 | [草稿]例題
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