例題2-2) デフレーションは、どのような点で問題か

あらゆるものの価格が一様に下落すると、収入と支出は同時に小さくなります。両者がバランスしていれば、特に大きな問題はないようにも思われます。ところが実際にはおそらく、価格の変化は一様でない場合が多く、物によってラグが発生しがちです。相対価格に影響が及んだ場合、例えば自分の販売している商品のみが価格の下落圧力にさらされるようなとき、結果として収入と支出のバランスに影響を与えることがあります。

また、金利はマイナスにはならない点にも注意が必要です。金利がゼロの制約に張り付いた状態で物価が下落すれば、実質金利は大きくならざるを得ません。物価の急落によって実質金利が、実際に流れている時間の価値を上回らざるを得なくなったとき、資金の需要と供給にアンバランスを生じさせる可能性があります。金利がゼロでも、お金を借りたい人が現れないような状況です。

とはいえ借金して商売する立場で考えてみると、投げ売りに輪を掛けた投げ売りを続けることは、あまり簡単ではありません。預金する消費者の立場で考えてみると、いつまでも販売価格が急落を続けることは、あまり期待できそうにもありません。需要と供給の綱引きで決まる価格は、金利とセットになって、自ずから無理のない範囲を探らざるを得ません。

こうして実質金利は、流れている時間の価値に近づくことになります。物価の動向にかかわらず、投資と選別の実行を続けることが、実質的な貸借対照表の全体を拡大させ、分業と経済成長をつくり出すのです。
posted by equilibrium at 2002-02-02 | [草稿]例題
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