例題4-3) 個々の貸借対照表の主体が、利己的に行動した結果としての、世の中全体の貸借対照表を想起してみよ

投資家は自分の純資産を増やしたいと思い、そのためにリスクのある債券や株式に投資をします。投資された会社は(対価として報酬を得るために)純資産を増やしたいと思い、そのために将来の利益をなるべく増やそう、また利益をより確実にしようと試みます。「ほしいものをつくり出す」ことに成功し利益が生まれれば、そのとき会社の純資産は増えており、また投資家の純資産も増えています。経営者や労働者としても、相応の報酬を手にしており、加えて、ほしいものがつくり出されているわけですから、もちろん消費者としても嬉しいに違いありません。そのとき世の中全体の純資産は、おそらく大きくなっています。

プロセスの内部では、さまざまな階層で利己的な選別が行われています。例えば投資家は、より投資の効率を高くするような株式や債券を選んで投資するでしょう。会社は、より消費者に好まれそうなものを、より高い効率でつくろうと試みるでしょう。労働者は、よりよい報酬と労働環境を探そうと試みるでしょう。消費者はもちろん、より安く素敵なものにお金を払おうとするでしょう。そういった「利己的な選別」は、社会の構成者に互いの努力と工夫を要求し、常に成長を促す動的な構造をつくっています。
posted by equilibrium at 2002-04-03 | [草稿]例題
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