例題8-2) 選別が効率的に行われるための構造とは、どのようなものか

様々な取引のための仕組みが整備され、情報がより多く提供されていることは、選別が効率的に行われるために大切なことです。

選別は、リスク資産を個別に評価する行動に他なりません。そして評価は、取引が行われることによって価格に反映されます。判断のための情報を入手するコストが小さいことは、選別の効率を高める最も大きな要因のひとつです。リスク資産の多くは背景に調達があり、その向こうにはビジネスがあります。それらがどんな性格を持ち、どんな出来事に左右されるのか、投資家が容易く知ることができれば、選別のリスクをより負担しやすくなります。資金を調達する側から見れば、支払うプレミアムをより小さくすることができるはずです。

また、種類の異なるリスクは互いに分離されていることが、投資家の利便性を高めます。例えば「自動車製造業」と「カードローン」のように、内容や構造の異なるビジネスは、混在しているよりも、分離され個別にリスクを取引できることが望ましい形です。リスクを負担する立場から見れば、「セット販売」は評価が煩雑になります。その価格が表現するものは読み取りにくく、また見通しを表現する手段としての使い勝手もよくありません。

選別には、リスクが伴います。投資家は選別を通じて、背景にあるビジネスを評価するリスクを負担し、社会を方向づけます。将来のすべてを予見することは誰にとっても不可能ですから、リスクをとって選別することは社会全体が成長するために不可欠な活動で、その見返りとしてプレミアムを受け取るわけです。何も考えずに、他人の評価に波乗りしようという都合のいい投資家は、時に選別のリスクにプレミアムを支払うことになります。
posted by equilibrium at 2002-08-02 | [草稿]例題
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