例題8-3) 投資のリスク・プレミアムと選別のリスク・プレミアムは、どのような関係にあるか

投資のリスクも、選別のリスクも、その単位リスクあたりのプレミアムの大きさはリスクの全体、広義の市場ポートフォリオとの関係で決まります。

投資のリスクにかかるプレミアム = リスクの全体にかかるプレミアム x 投資のリスクとリスクの全体との相関
選別のリスクにかかるプレミアム = リスクの全体にかかるプレミアム x 選別のリスクとリスクの全体との相関

パッシブな投資だけでは個別のリスクを評価することができませんし、アクティブな選別だけではリスクのある調達に対して資金を供給することができません。どちらも生産と成長のために必要なリスクですから、どちらかが消えてなくなったり、その大きさや割合に極端な偏りが生まれたりすることはないと考えてよさそうです。

2007年に起きたサブプライム危機では、米国のある種の住宅ローンに過剰に期待されていたプレミアムが見直される中で、選別のリスク・プレミアムが急拡大しました。つまり多くの選別が、大きな損失を生み出しました。こうした現象は例えば、1998年に起きたヘッジファンド危機など、これまでにも時々起こっています。将来の利益にかかる評価は、投資にとっても選別にとっても大切な要素になりますが、皆が不確実性をより保守的に評価し割り引くことによって、また時に大胆に許容することによって、リスク・プレミアムの大きさは急速に変化します。

投資家の心理が変化することで、あるビジネスにかかるリスク・プレミアムと別のビジネスにかかるリスク・プレミアムの相対的な大きさが急速に変化することがあります。銀行に悲観的になり、製造業に楽観的になり、また輸出に悲観的になり、輸入に楽観的になるといった具合です。投資のリスク・プレミアムと選別のリスク・プレミアムの関係もこれに似て、その相対的な大きさは一般に、時間とともに常に変化します。
posted by equilibrium at 2002-08-03 | [草稿]例題
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