例題10-2) 世の中のすべてのポートフォリオの、3つのコンポーネントそれぞれの和について考えてみよ

世の中のすべての、購買力を担保するポートフォリオの和は、それらがすべて負債を意識したものであるとすれば、世の中のすべての負債の「鏡」のようなものかもしれません。そしておそらく、そのすべての負債は、資金調達としての負債と、それ以外の(将来キャッシュフローの現在価値としての)負債とに、大きく分けられるはずです。債券先物やスワップのようなデリバティブ取引を活用しつつ、将来のキャッシュフローにかかる金利のリスクを交換し購買力を担保しようという行動は、それらがないときに比べて、結果として債券投資にかかるリスク・プレミアムを押し下げることになります。

世の中のすべての、市場ポートフォリオの和は、言うまでもなく市場ポートフォリオです。(取引することが可能な)債券や株式によるすべての資金調達の和は、それらの市場を眺めることによって、その大きさを直接的に観測可能です。そしてそれは、観測の難しい投資対象も含んだ、より大きな「真の」市場ポートフォリオとは何か、という問いに取り組もうとする際にも、その出発点として大きな意味を持つはずです。

世の中のすべての、見通しを表現するポートフォリオの和を、実際に観測することは困難です。そもそも観測される市場ポートフォリオは、すべての「選別」を必然的に含んでおり、その意味ではこれは「卵と鶏」の議論にならざるを得ません。すこし視点を変えると、市場ポートフォリオは貸借対照表の意味で観測されるのに対して、「選別」をリスクの意味で考えることによって、より示唆を含んだ問いが浮かび上がってくるはずです。より多くの、多様な選別にさらされている市場は、おそらく主にその非効率さを理由に、より大きな選別のリスク・プレミアムが期待されているはずです。選別が、見通しが、世の中全体としてどこに向いているのか、今後どこに向いていくのか、といった観点を持つことによって、投資と社会の見方は大きく変わるはずです。
posted by equilibrium at 2002-10-02 | [草稿]例題
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